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09近代生活を快適に
ヒットラーのアウトバーン
現代は自動車の時代といわれるくらい、現代生活にとって自動車は不可欠のものとなっている。ことにアメリカでは、サラリーマンにとっては必要品で、空気のよい郊外に住宅をもっていて、市中のオフィスに車を飛ばして通うというのは、もっとも一般的な庶民の生活である。郊外から市中への車の道路はどこの国でもすばらしいものだ。カリフォルニヤ州では、道路をよくするためにガソリン代の四分の一は税としてとられているという。
自動車道路で忘れられないのはヒットラーの作った、ドイツの″ライヒス・アウトバーン〃である。これは二列になった往復道路だがら全部で四列あるのだがそれぞれの列を走るスビードがきまっていて、もっとも速い列ではスピードは百キロ以上になっていて、それ以下でのろのろやっていると叱られたり、罰金をとられたりする。日本とちがって最高のほうはスピードの制限がない。それは、みんなが速く走っているのに、その列で遅く走ると邪魔になるからであって、遅く走るには遅い方の列に入らなければならない。遅いといっても、五十キロ以下というのはない。このようなすばらしい自動車道路がドイツの居中いたるところにつけられているわけである。そのため、汽車に乗るよりも速くて便利になっている。これだけは″ヒットラーの大功績″だといわなければなるまい。戦後になって、いまの大統領アデナウワー博士が、ケルンとボンの間にアウトバーンを造った。これは約八〇キロのごく短かいもので、規模も小さいのだが、これでも国民からは非常によろこばれて、選挙の得票を集めるのに有効であったといわれている。
ヒットラーのアウトバーンで感心したことは、これは広いとか道がいいとかは勿論であるが、適当な間隔をおいてゆるやかなカーヴをつけたり、また通路の寓ん中のところに芝生や花壇を作ったり、道路の左右に木を植えたりして、長い道を走っている場合に、気持を楽にし、目を楽しませるように配慮してあることであった。まるで公園の中を走っているような快適な感じで何時間走っても疲れない。まるで国中が自動車のための公園みたいでさえある。